私たちが目指すもの

statement

設立の趣旨

今の災害対応法制では,被災者一人ひとりが大事にされていない。 

たとえば,仮設住宅やみなし仮設,復興公営住宅や借上げ公営住宅,在宅避難者など「住まい」の施策はとても複雑で,隙間だらけで,被災者の視点に立っていない。東日本大震災,原発事故,阪神淡路大震災での被災者対応について,いま我が国は無策である。 

被災者にとって「くらし」がすべての前提だ。ところが現在の法制度は,住家の被害状況だけを指標にした硬直的な対応だ。本当に生活に困っている被災者が救われず,震災をきっかけに困窮に陥った人々を救う手立てが無い。これでは,一人ひとりの被災者に平等に人権が保障されているとは言い難い。

 問題解決のためには,第1に一人ひとりの被災者の「住まい」を保障する基本法が必要だ。第2に,一人ひとりの被災者の「くらし」を支える具体的な仕組みが必要だ。
そこで,私たちは「一人ひとりが大事にされる災害復興法」を打ち立て,被災地にその恵沢を行き届かせることを目指してこの会を立ち上げた。

一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会
共同代表 新里宏二・丹波史紀・津久井進

→ 当会の規約についてはこちらをご確認ください。

目指すべき災害復興法のイメージ(災害ケースマネジメントの制度化に向けて)

1. 被災者は重層的で多様な困難を抱えてしまいます。しかも、一人ひとりその困難な状況は異なります。

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2. 今は、たまたま住んでいた家の被害を公的支援の基準としていますが、重層的で多様な困難はそこに反映しきれません。

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3. 一人ひとりの被災の影響が個別に把握され、必要な支援を個別に組み合わせる必要があります。

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4. 一人ひとりの被災の影響を把握し、平時まで見据えて個別に支援を組み合わせる「災害ケースマネジメント」が必要です。

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5. 災害ケースマネジメントとは

  • 被災者一人ひとりに寄り添い、個別の被災の影響を把握することから支援計画を立て、
    施策をパッケージングし支援を実施していく仕組み。
  • 現行の災害法制上は、たまたま住んでいた家のダメージだけで判定した罹災証明書の区分のみにもとづき、
    画一的な被災者支援を行うことになる。
  • そのため、被災者ごとに異なる重層的で多様な被災ダメージを考慮した適切な支援を行うことは難しい。
  • この問題を解決するために、災害ケースマネジメントの制度化が必要である。

6. 災害ケースマネジメントの基本的な考え方

  • 被災者1人ひとりの状況は異なるため、必要な支援を実施するためには
    個別の状況把握とそれに合わせた支援策のパッケージングが必要になる。
  • 被災者のダメージはたまたま住んでいた家へのダメージで代替できないため、
    罹災証明書のみに支援の根拠を求めるのではなく、収入・生活状況の変化や社会的な
    脆弱性(高齢・障害・貧困など)に応じた新たな判断基準が必要になる。
  • 行政施策は縦割りになってしまうため、個人個人の実情に応じた部局間の施策調整も基本的な役割となる
    平時の福祉などの一般施策への橋渡しを行う必要がある